株式会社テラヤマ

都市に緑を取り込むーYKK APフェアで壁面緑化

2024年もはや10月、いつまでも終わらないかと思われた今年の長く厳しい夏も、ようやく過ぎ去ったようで、あっという間に街路樹のハナミズキやイチョウが色づいてきました。

さて、今回は先週開催された「YKK APフェア」についてご報告します。

YKK AP社の国内外の製品を一斉に展示するというこのフェアは、東京ビッグサイトの大空間がまるで一つの街のように作りこまれるという、壮大なスケールのものでした。


その中で、YKK APファミリーの一員になってほやほやのテラヤマは、7メートルの木造タワーの一面を飾る、壁面緑化の作成を担当させていただくことになりました。

やらせていただけるなら、こだわりたい。

そこで海外からのお客様も大勢いらっしゃるということから、日本の清涼な秋を感じていただけるようなナチュラルな空間を壁面に作りたいと考え、ナチュラリスティックガーデンの提案で著名なデザイナーの方にお力をお借りして制作に取り組みました。

通常壁面緑化は、小さい苗を資材に植え込んで、設置したあと植物の成長とともに壁面緑化が完成されていく、というものですが、今回はこの3日間のために、最初から成長した植物を植えこんで完成形の壁面を作るという、難易度高めの短期決戦ミッションでした。

フェア開催の10日ほど前から秋色の資材が続々と到着し、植え付けを始めました。


先生方のご指導のもと、フェア期間中植物たちが最高の状態を維持できるようにと、茎や枝を折らないように、根を傷めないように、一つ一つ丁寧に植栽を行いました。
植え付けた植物は1500株以上にも及び、夜までかかって何とか植え付け作業を終えることができました。



フェア開始2日前、いよいよ搬入と設置です。基盤が見えないほど高密度に植物を植えこみ、土に水をたっぷり含んだカセットは大変重く、荷積みも容易ではありませんでしたが、何とか無事輸送と設置作業が完了しました。



足場が外れると、まるで秋風にそよぐ原っぱがそのまま90度起き上がったような、清爽なフィールドの壁が出来上がっていました。


壁面緑化では通常使われることがないような秋の七草のオミナエシやハギ、キキョウのほか、ワレモコウやツワブキ、チカラシバなど、かつて日本の道端や原っぱで見かけたような様々な質感や色の植物たちが、壁を見事に演出してくれました。


YKK APフェアの来場者は3日間で21000人を超えたそうで、多くの来場者の方々がテラヤマの壁面緑化にも足を止めてくださいました。植物たちのほうも、3日間持ちこたえてくれるかという私たちの心配もよそに、最終日までピンと背筋を伸ばして来場者をお迎えしてくれました。

たった3日間の、幻のような壁面緑化でしたが、これから日本のあちこちで、今回のような型にはまらない、個性的で季節感のある壁面緑化が増えていくきっかけになれば何よりです。

テラヤマは、壁面緑化や屋上緑化事業への注力はもちろん、様々な「都市に緑を取り込む」チャレンジを続けていきます。