イイナパークの虫ホテル
開園から2度目の秋を迎えたイイナパークの環境観察エリア。虫がたくさんいる公園として知られるようになってきました。
管理を担当して2年目の今年の春、生物多様性への取り組みの一つとして、虫のはらっぱに「虫ホテル」を建設しました。海外のウエブサイトを参考にしながら、管理作業で出た様々な素材を活用してできたのがこちら。
廃材の大型フラワーポットをフレームにし、園内で刈込んだヨシや枯れ枝、穴をあけた剪定枝などを詰め込んでいくと、予想以上に映える存在に。様々な方向に向けて4個設置し、あとは住人がやってくるのを待つばかりとなりました。
半信半疑で開業したホテルでしたが、7月頃から続々と利用客がやってきました。
主なお客さんは、今回設置したヨシや竹筒の空洞の中にそれぞれ草や葉、泥を運んできて、巣の仕切りや蓋を作っていく習性を持ったハチたちです。
ハキリバチ類は、大小さまざまな大きさに葉を切り取って仕切りにし、入口も葉で蓋をします。
ドロバチ類は、泥を固めて仕切りを作り、幼虫の餌にするために麻酔をかけたイモムシを運び込み産卵したら、入口にも最後に泥を塗って蓋をします。
コクロアナバチは、イネ科などの細長い草を詰めて仕切りと入口の蓋をつくります
せっせと葉っぱや草を運ぶ姿はとても健気。いつまで観察していても飽きません。ハチといっても攻撃的ではないので、近くで見ていてもこちらへ向かってくる心配もありません。
筒を割ってみると、各小部屋で繭を作り前蛹となっているコクロアナバチを発見。
ドロバチも幼虫が育っています。
春になるとこれらのハチたちは羽化して次の世代の子育てがはじまります。